まず「管工事」という言葉を聞いて「配管工事じゃないの？」と思われた方も多いと思います。間違いではありませんが、配管工事だけではないのが「管工事」なのです。

管工事とは、冷暖房、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置したり、金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する専門工事です。冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事などがあります。

簡単にいえば、

• ●空調機、冷温水発生器、ボイラーなどの機器類の設置
• ●冷温水配管、冷媒配管、蒸気配管などの配管
• ●給水、給湯、排水などの衛生配管工事
• ●衛生機器、風呂設備などの機器類設置
• ●調理器具などの厨房機器、熱源機器、排気フード設置工事
• ●空調、排気、排煙などのダクト工事
• ●配水小管の敷設

など、建築の設備に関する工事を行います。

建築物を建てるとき、「建築主体」「電気設備」「機械設備」に大きく３つの工事に分けられます。その機械設備のほとんどが「管工事」です。

• 建築主体工事：建築物の骨組や外観の工事を行う「整形・形成外科」
• 電気設備工事：建築物の照明や電源、設備用動力、通信などを行う「神経科」
• 機械設備工事：建築物設備機器やそれに接続する配管設備を行う「循環器外科」

建築工事の構成を人間の体に例えるとこんな感じでしょうか？心臓などの臓器にあたるのが「ポンプ」、血液を運ぶ血管にあたるが「配管」です。『もし心臓（ポンプ）が止まったら？』『もし、血管（配管）が破裂したら』どうなるでしょう？緊急事態ですね。

そう考えると、「管工事」って大切な工事だと思いませんか？

管工事は多岐にわたるため一概にこの工事という説明が難しい業種です。下記に示す工事は代表的な例ですが、工事が複合して工事呼称が変化することも少なくありません。該当する工事が記載されていなくても内容的に含まれていたりもします。

たとえば住宅の場合は、「給排水衛生設備」などとなりますが、給排水、衛生、浄化槽、ガス、油などすべての住宅設備が含まれたりします。公共建築の場合は、設計図に基づき工事内容が決定しますが、複合的な工事が多いので「機械設備工事」として発注されることが多いです。